Process生産工程
石炭火力発電所のユニットは2024年4月現在で、全国各地に72基設置されており、その発電総出力は4,273万kWとなっています。
2022年度の石炭灰発生量は年間877万トンでした。
石炭火力発電所では、微粉砕した石炭をボイラ内で燃焼させ、そのエネルギーを電気に変えていますが、この燃焼により溶融状態になった灰の粒子は、高温の燃焼ガス中を浮遊し、ボイラ出口で温度が低下することに伴い、球形微細粒子となって電気集じん器に捕集されます。これを一般にフライアッシュと呼んでいます。
このフライアッシュは、サイロに乾燥状態で貯蔵され、用途に応じて更に調合または分級器で粒度調整等を行い、製品別サイロに貯蔵します。 クリンカアッシュは、ボイラ内で燃焼によって生じた石炭灰の粒子が相互に凝集し、多孔質な塊となってボイラ底部のクリンカホッパ(水槽)に落下堆積したものを破砕機で砂状に砕いた物です。これを脱水槽等で脱水したあと、用途に応じてふるい機等で粒度調整を行います。なお、クリンカホッパの型式には、このような湿式タイプがほとんどですが、水槽を用いない乾式タイプのものもあります。
フライアッシュ・クリンカアッシュのできるまで
Type種類
フライアッシュ電子顕微鏡写真(1,500倍)
フライアッシュについて
フライアッシュは微細粒子であり、これを電子顕微鏡で見ると球形をしています。
このため、フライアッシュを用いると、コンクリートやモルタルの施工時の流動性が増大するので、この性質を活用して土木・建築分野で利用されています。
クリンカアッシュ電子顕微鏡写真(300倍)
クリンカアッシュについて
クリンカアッシュの粒子は、ほとんど細礫と粗砂であり、砂に近い粒度分布になっています。
電子顕微鏡で見ると径0.2~20 μm位の小さな孔隙が多数あいています。
このため、排水性、通気性がよく、保水性に優れていることから、その特長を活かして幅広く利用されています。